しゅんすけ

シークレット・ヴォイスのしゅんすけのレビュー・感想・評価

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)
4.6
「シークレット・ヴォイス」

「マジカル・ガール」のカルロス・ベルムト監督作。
浜辺で女性が倒れており、別の女性が人工呼吸してるところから映画はスタート。女性は目覚めると、自分が誰だか分かっていない。すると、目の前に座っている女性から、「あなたは、リラ・カッサンという有名な歌手で、私はあなたのアシスタントのブランカだ」と教えられる。

リラは退院したものも、記憶が戻らず、どうやら歌手復帰のコンサートが組まれている様子。しかし、まったく自分の歌を思い出せない。困ったブランカは、浜辺で投身自殺をしようとしていたヴィオレッタという女性をスカウトしようと声をかける。リラのものまねをして、カラオケバーで働いている、ヴィオレッタにリラの記憶を戻すために歌の指導をしてくれるよう頼み、承諾したヴィオレッタは、リラの豪邸に通い、レッスンを開始するのだが・・・というお話。

地味で静かで、派手な描写もないですが、先が読めず、超超超ヘンテコで、完全に自分好みの1作でした。劇中に出てくる歌もクオリティが高いし、ヴィオレッタの娘のマルタという、鍵を握る女性が、絶妙にクズで、ハラハラします。(携帯買い替える金を借りるくだりがマジで胸糞)

最後は、何が現実で、何が妄想なのか、よくわからない終わり方で、観る人によっては、「ワケわかんない、何なの、この映画?」となるかと思います。ただ、現実の生活、家族、周りの環境に苦しむ女性が、一瞬でもスターになれるかもと覚醒する様子(「ブラック・スワン」とかがテーマ的に近いかも)は、個人的にグッと来て、刺さりました。

好き嫌いは分かれるので、netflixなり、レンタルなりで期待もほどほどに、観てみて頂ければと思います。