爆裂BOX

スネーク・アウタ・コンプトンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.2
未体験ゾーンの映画たち2019で上映された脱力系コメディタッチのモンスターパニック映画です。
ラッパーのキャムは大手レコード会社のオーディションを控えた前日、悪徳刑事に誤解から逮捕されてしまう。仲間たちは彼を釈放する保釈金を手に入れるため強盗を計画。そんな矢先に科学オタクである友人のバーゲルが、飛行機から落ちてきた蛇から生まれた子供に成長促進ビームを浴びせたことから超巨大な大蛇まで出現し、街は大混乱に陥っていく…というストーリーになっています。
「ストレイト・アウタ・コンプトン」パロッたタイトルからもわかる様に他作品のパロディネタやギャグ多めの作品になっています。いきなり冒頭から飛行機から蛇が落とされるという「スネーク・フライト」のスピンオフみたいな始まり方しますし、黒人悪徳刑事と新人白人刑事という「トレーニング・デイ」(未見)ネタを結構終盤まで引っ張ったりしますし、下ネタやヒップホップ系のネタ等が多く盛り込まれたドタバタコメディ系で進んでいって、緊張感や恐怖感などは微塵もありません。まあ、このジャケットからそれ期待する人はいないと思うけど…
メジャーデビューを夢見てオーディションを控えたラップチームの面々が借金取りや悪徳刑事などの予想外のトラブルに見舞われ、更に友人の科学オタクが作り出した超巨大蛇にまで襲われるという内容をしょうもないギャグとラップ対決盛り込みまくって描いていきます。中盤辺りまでは大蛇の登場少なくて、個人的には微塵も格好良さ感じないラップ対決シーンやしょうもないギャグの比率多めでちょっとダレる所ありますが、そこそこネタのテンポもいいしそこまで寒くてスベリ倒してるとは感じなかったかな。白人女性が銃持ってても「可愛いじゃないか」と気にしないけど、主人公の黒人ラッパーキャムが「危ないだろ」と銃取り上げて手に持ったら「事件だ!」と駆けつけたり、面倒くさくなったらやたら銃ぶっぱなす悪徳刑事、取調室で無抵抗の人射殺して防犯カメラに映ってるかも、と言われても「アイツが抵抗したと言えばいい」というシーンや、強盗に入られても盗難保険入ってるからむしろ歓迎して強盗の手伝いするコンビニ店主などブラックすぎるネタはちょっと笑ってしまいましたね。しかしあの店長は何でコンビニの扉開けて蛇中に入れたんだ。そのまま食われちゃったし。
主役の蛇のCGはチープさはありますが、この手の映画ではしっかり作ってる方かな。何故かラップのビート聴くとそっちに引き寄せられるという習性持っています。飲まれかけて唾液だらけになった科学オタクが蛇男に変身していったり、その蛇男に殺された犠牲者が蛇ゾンビになったりと大蛇以外のクリーチャーが出てくる所も良かったですね。
登場人物もまだまともな主人公の黒人ラッパーキャムとチームの面々、「トレーニング・デイ」パロディの悪徳刑事コンビ、元凶の童貞科学オタク、白人の借金取りなど皆キャラは立ってたと思います。特に貧相な偽デンゼル・ワシントンの悪徳刑事はコンビニで襲い掛かって来た大蛇にタイマン挑んでボコったりと一応悪役キャラながら結構活躍してました。
終盤のレコーディング会社の屋上での最終対決も、戦闘機が登場してミサイルぶち込んだり、蛇に叩き落されたり、主人公達が蛇にラップ対決挑んでダウンさせたり、蛇に呑まれて体内泳いだりとハチャメチャすぎ結構楽しめました。
特撮も激安でストーリーもツッコミ所だらけですが、くだらないギャグやパロディネタ盛り込みまくったバカ映画としては、酔っぱらって息抜きとしては見れるレベルの作品だと思います。