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野性の呼び声のyawaraのレビュー・感想・評価

野性の呼び声(2020年製作の映画)
4.0
人に飼われる立場には馴染めなかった犬が、さまざまな出来事を通じて自分の意思と内なる野生に目覚めていく。

演出がかなりディズニー的エンタメに振り切った作りで、非常に見やすい。感情表現などやや誇張が強いかなと思われる節もあるが、言葉を介さないコミュニケーションのビジュアライズとしてはいい落とし込みなのかも。
本能に流されるままだったバックが苦難の中で力強く成長していく様子が作品の主題となっており、物語の大筋は骨太で見応えがある。ジョンとの絆も豊穣に描かれていて気持ちを惹きつけられた。互いを友人と認めているのを見てとれるのが心地良い。友人であることに言葉の有無は些末な問題だ。
しばしば巨大な狼をメタファーとしてバックの気持ちを端的に示している。これが幻想的で美しく記憶に残った。また、物語の帰結にもうまくつながっており、構成に整合性を与えている。
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