まさかここまでイイとは思わなんだ、オリジナルより断然こっち派。特筆すべきはビジュアルの美しさ。カラコレバッキバキな色使いで、数多くのショットが超キマッている。これがあるから多少の突飛な展開の仕方も微笑ましく見ていられた。黄色のクレジットも黒地の背景に映えまくっていたし、編集のリズムと併せて冒頭のタイトルの出し方もカッコイイ（直前のバイク事故スレスレな煽り方も見事）。クラシックの劇伴を用いて格調高く仕上げたシーンもあれば、一転生々しい音響使いでぐちょぐちょゴアゴアな外連味ある流血シーンもたっぷり。コントラストの幅が効いている。また『ラビッド』だけに収まらず、初期クローネンバーグ他作品へのオマージュもテンコ盛り。過剰なサービス精神に大満足である。そして。夢というには聞こえがいいけど、本気で願望を成就させたり欲望を実現させようとする各キャラそれぞれが持つ執念と狂気。これこそが今回のリメイクのテーマであり本質なのだと受け取った
