戦車の特徴を機動力ではなく装甲と砲に見出した正しく戦車な映画。どうしても間抜け面になってしまう遠景を切って、履帯が泥をえぐったり跳弾で火花が飛ぶ、といったクローズに特化している。
急停止すれば操縦士が頭をぶつけて流血するし装填手も大慌て、身を乗り出したがために戦車ごと吹き呼ばされる描写など、戦車映画として地に足がついている。
もちろん撃つときは停車。弾もなかなか当たらないが、そういったスリルを装甲の厚さが調整していてる。(この辺はUボートに似ている)きちんと超信地旋回もしているし、戦車を戦車のままエンターテイメントとして見せていあたりガルパンやフューリーよりも誠実で感心した。
ただ整備関係にも焦点を当てたのにスパナひとつ映さないのはどうなのよ、みたいなことは思った。KVの部品に触れている画は排気管の取り替えくらいしかないのに、レコードを修理する場面だけ整備平面しているのは公平じゃない。