つむつむ

クーリエ:最高機密の運び屋のつむつむのレビュー・感想・評価

3.5
試写会で観てきました。

「事実に基づく物語」
って一文を押してる作品を見ると作り話でも面白けりゃいいんだよというか、ノンフィクションであるということで下駄を履かせようとしてる気がしてげんなりしてしまうんですよね。
というわけで冒頭から若干期待値下げていたんですが、いい意味で脚色感が薄く、マジでソ連ってこんな感じかも…捕まったらヤバいかも…ってリアリティがあってとてもよかった。
そしてそこから地続きになってるせいで後半の痛々しさもリアルで目を背けたくなるくらいエグい。

直接的な描写があんまりないのにソ連のおっかない雰囲気が漂ってて、ウィンとアレックスの一挙一動に緊張感があります。

劇的な話ではないのでエンタメ的なレビューがしづらいんだけど、淡々と丁寧な描写が続くので大きなスクリーンで見る価値は十分にあります。

あとウィンがスパイになるまでがスピーディーなので絶対に遅刻しないでください。
あとキューバ危機って何?って人は5分でわかるまとめレベルでいいので調べておいた方がいいです。


敵とか味方とかって枠組みから外れたところにいるウィンだけがソ連のバレエを見て純粋に感動してしまうところ、彼の善良さとかこの映画が伝えたい平和って何かが感じられてとてもよかったな。

ところで普通にエンドロール終わったら拍手するつもりだったんだけどみんな帰ってしまって、それだけ心残りでした。
普通にいい映画だったと思うけどな。試写会って拍手しないもんだったっけな?
つむつむ

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