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クーリエ:最高機密の運び屋のsoftmachineのレビュー・感想・評価

4.0

キューバ危機回避の一端を担った、機密情報の運び屋になった一介のセールスマンと、ソ連の役人との交歓を描くストーリー。

当初のカンバーバッチ(グレヴィル・ウィン)の気のいい商人の顔が、任務の責任を負って精悍な顔へと変化していくさまに感動した。

(以下ネタバレかも)


後半、ペンコフスキー大佐の亡命の手配も滞りなく進み、あとは脱出するのみとなった夜のバレエ鑑賞のシークエンスが素晴らしい。

白鳥の湖が終わりに向かうにつれ、感極まっていく2人の表情、スタンディングオベーションしながら最初にペンコフスキーがウィンを見る(ウィンは見てない)次にウィンがペンコフスキーを見る(ペンコフスキーは見てない)。

バレエに感動したかに見せて、実は任務がもう少しで終わる喜びが痛いほど伝わってきて、こちらも感極まってしまった。
初めてソ連に来たウィンが、バレエ鑑賞に招かれた時からの心境の変化を感じられる、とてもいいシーンだったと思う。

最後に、釈放された実際のウィンのインタビュー映像が流れるのだが、カンバーバッチのシリアスな表情の後に見ると拍子抜けするほどに明るく元気で笑った。(イギリス人だから、余裕のあるところを見せてるのかもしれないけど)

実話とのことだけど、二人の間に本当に友情のようなものはあったのだろうか。あって欲しいな。
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