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クーリエ:最高機密の運び屋のniのレビュー・感想・評価

5.0
出かける前に時間あったからという理由で何となく観に行ったら、すごく当たりでした。今年のベスト5には確実に入りそう。パンフも買った。
キューバ危機がどうやって回避されたのか、米ソ両首脳による電話会談のおかげだとしか思っていなかったが、それ以前に核戦争を止めるために全力を尽くした人々がいたと知れてよかった。やっぱり実話ベースの映画が大好きだし、定期的に観ないといけないなと思った。
ウィンとペンコフスキーの2人が緊張感を持ちながらも段々仲良くなっていき、お互いの家族と会ったりしている場面は微笑ましくさえあった。アクションや銃は一切出てこないのに、緊張感がすごい。スパイ映画と言えば冷たい雰囲気を予想するけど、この映画には温かみがあった。「我々のような人から世界は変わるのかもしれない」という(微妙に違うかも)ペンコフスキーのセリフが印象的だった。未だにソ連からの信頼も厚かった彼がなぜアメリカのスパイになったのかは分かっていないらしいが、なんでなのだろう。すごく気になった。



(※以下結末に触れます)

2人がソ連に捕まってからのシーンは緊張続きだった。特にベネディクト・カンバーバッチの痩せていく感じがリアルで怖かったし、彼の役作りに尊敬せざるにはいられません。「モーリタリニアン」と「パワーオブザドッグ」がとても楽しみ。ウィンが妻との面会を許されたことで核戦争を防げたと知り、それをウィンがペンコフスキーに「Because of you」(ペンコフスキーがMI6に提出した資料からキューバにソ連が核兵器を設備したと分かったということだった)と何度も叫ぶシーンは涙が止まらなかった。泣ける映画だとは全然思っていなかったから、予想をいい意味で裏切られた。
ウィンは西側が拘束してたソ連のスパイ(?)との引き換えで助かったが、ペンコフスキーは処刑されてしまったとのこと。ペンコフスキーもどうにかして救えなかったのか。。彼のおかげで核戦争が防げたと言っても過言ではないのに、あまりに哀れに感じてしまった。
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