YYamada

クーリエ:最高機密の運び屋のYYamadaのレビュー・感想・評価

3.8
【コラボ鑑賞のススメ】キューバ危機
❶13デイズ (2000)
❷クーリエ:最高機密の運び屋 (2020)

◆ベースとなった史実
〈英国民間人、最高機密の運び役に〉
 ~キューバ危機【2】 / 1962年
・場所: ロンドン⇔モスクワ
・人物:
 ソ連情報総局: オレグ・ペンコフスキー
英国民間電気技師: グレヴィル・ウィン

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1962年10月、アメリカとソ連の対立は頂点に達し、キューバ危機が勃発。英国人セールスマンのグレヴィル・ウィンは、スパイの経験など一切ないにも関わらず、CIAとMI6の依頼を受けてモスクワへと飛ぶ。
・そこで彼は、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)の高官ペンコフスキーとの接触を重ね、機密情報を西側へと運び続けるが……。

〈見処〉
①米ソ全面核戦争目前。世界の運命は、
 1人のセールスマンに託された——
・『クーリエ:最高機密の運び屋』(The Courier=情報の運び屋の意)は2020年に製作されたスパイ・サスペンス映画。
・舞台演出家として名高いドミニク・クックが監督を務めた本作は、キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた、核戦争回避のために命を懸けた男たちの葛藤と決断をスリリングに描かれている。
・米国CIAと英国MI6の依頼を受けて、ソ連の高官、オレグ・ペンコフスキー(メラーブ・ニニッゼ)と接触を図るセールスマン、グレヴィル・ウィンを演じたベネディクト・カンバーバッチは、わずか数シーンの撮影、かつ本作から時間をあけずに『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』の撮影が控えながら、リアリティを追求するために頭を丸刈りにし、約10キロにも及ぶ体重の減量を実行し、撮影に臨んでいる。

②結び…本作の見処は?
◎:「実際のスパイの人物像は普通の人」…特殊能力を持たない民間人がスパイ行為に加担する描写によってリアリティ高い作品に仕上がっている。終盤の収容所におけるベネディクト・カンバーバッチの鬼気迫る演技は必見の名シーン。
○: ソ連情報総局のオレグ・ペンコフスキーと民間技師ウィンの間には、友情以上恋愛未満の「ブロマンス」の関係が描かれている。今のウクライナ情勢下、彼らのような信頼に足りる関係性は重要。
○: 冷戦下のヨーロッパを見事に現した素晴らしいロケ地とセット。今となっては実現困難なモスクワでの撮影も敢行されており、映像資料としても貴重な作品。
▲:「キューバ危機」と直接連関するエピソードや描写が少なく、歴史に埋もれた彼らの具体的業績がわからない。
YYamada

YYamada