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クーリエ:最高機密の運び屋のlaszloのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

2020年 イギリス
監督 ドミニククック 脚本 トムオコナー
WOWOW録画鑑賞 実話に基づく物語

1960年代米ソ冷戦の真っ只中両国は核兵器開発競争に懸命になっていました 米国はケネディソ連はフルシチョフの時代 一触即発のキューバ危機を回避した裏で米英の諜報活動の重要人物として働いていたのは名もない一般のビジネスマンでした

銃の撃ち合いや爆破など派手なアクションは一切ありませんが今も昔も大事なのは情報戦です
本当のスパイと呼ばれる人物は静かに目立たず敵国の懐に入って情報を収集して自国に持ち出していたのでしょう

嫌々始めたスパイ活動ですが諜報活動の交流の中でソ連のスパイと友情が生まれてしまいます
あんなに嫌がっていたスパイ活動も組織から離脱の許可出たのにソ連のスパイのために自ら再度ソ連に出国することになります

結末を知らないで観ていたのでこの辺りは胸がドキドキして手に汗を握る展開です

あの時点でソ連に入国する危険性は組織もそして自らも充分分かっていたはずなのに芽生えた友情のためベストを尽くさずにはいられなかったのでしょう
ベネディクトカンバーバッチ演じる“グレヴィルウィン“の人間性と度胸には頭が下がります

そして収容される前と後の“カンバーバッチ“の変化と憔悴ぶりの演技が秀逸です
WOWOW放送後の解説では痩せるために撮影を3か月中断して減量したそうです
エンドロールでは実話ではお馴染みの実際の映像が流れますがカンバーバッチは実際の人物と殆ど変わらない雰囲気を出しています

当時のソ連に政治犯として勾留されて尋問を受けたと言うことは想像を絶する苦痛の毎日だったと思います
実際の映像ではもちろんやつれていますがしっかりとした応対からご本人の人柄や人間性が垣間見られてこの物凄いストーリーが実話であることを納得させてくれます

ロシアになっても変わらず当時から覇権国家を目指すソ連とアメリカの緊迫した時代の雰囲気
一般人にあまりにも重要な役割を強いた米英諜報組織の現実
ロシアとイギリスのスパイ同士の友情物語
それぞれの家族の物語
ソ連のスパイ“ペンコフスキー“役“メラーブニニッゼ“
主人公“カンバーバッチ“の演技など見どころの多い映画です
是非ご覧になってみてください
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