タチユロ氏

クーリエ:最高機密の運び屋のタチユロ氏のレビュー・感想・評価

4.0
東欧方面への出張が多いセールスマンの男がソ連のスパイへ情報を通達するための“運び屋(クーリエ)”に任命される。
時代は1960年代。歴史はキューバ危機へと向かっていく。

一般人が米ソ冷戦下の諜報戦に足を踏み入れる話ということで、勝手にもっとプロと素人のカルチャーギャップみたいな面白さの作品かと思っていたんだけれど、良い意味で予想が外れた。事前に想定していたよりも、もっとリアルで硬派なスパイものになっていた。当然好みのライン。

はじめこそ国際的な諜報戦に巻き込まれた主人公の戸惑いと緊張がメインとはなるが、任務に慣れるにつれて物語は主人公とロシアに潜入するスパイとの友情へとなっていく。

一般人である利点を活かしてスパイまがいの活動をしてきた男が、最後に最も望まなかった形でスパイとしての嘘を貫き通す。その時の全てを剥ぎ取られたベネディクト・カンバーバッジの演技が素晴らしかった
タチユロ氏

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