三樹夫

クーリエ:最高機密の運び屋の三樹夫のレビュー・感想・評価

3.5
核戦争の危機を回避するためにソ連の内通者にイギリスのセールスマンを接触させ情報を得るスパイ映画。役者の演技と安定した作劇で見せる手堅い作りというかオーソドックスな作りというか、ソ連の内通者もスパイになったセールスマンも妻子がおり、ひとたび核戦争が起きれば家族ひとたまりもないので何とか核戦争を回避したいという行動原理が共通し友情のようなものが芽生え、またソ連の内通者が情報を流すのがソ連側にバレてるのではないかというサスペンス演出もある。サスペンス演出でいえば無事亡命できるのかというのもあるし、かなり手堅い作りをしている。無事亡命できるのかどうかという所まではスパイ映画の教科書通りみたいな展開で、そこからの残り30分は国>個人っていうのは本当に最悪だなとなる。

主演ベネディクト・カンバーバッチで製作総指揮にも入っているが、役者にとっては演技を存分に見せられる作品なので出ている役者に好かれそうな作品である。とにかく役者の演技を見てくれというのが伝わってき、そのためケレンは抑え目となっている。
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