近未来、チタン鉱石採掘の為に木星の第1衛星"イオ"に建設された採掘基地を舞台に、そこに蔓延する“事なかれ主義"に敢然と立ち向かう保安官の孤立無援の戦いを描くSFサスペンスアクションですね。
この作品を現代の日本に置き換えるとさしずめ、いじめ自殺が頻発する学校に蔓延する事なかれ主義に異を唱える熱血教師といったところでしょうか。上に逆らえば自分達の身が危ない。だったら何もしないで黙っていようという、自分の身可愛さを優先してしまう人間の愚かさを描いています。
劇中の追跡シーンが素晴らしいですね。狭い採掘基地の中、カメラが一切止まりません。撮影監督出身のピーター・ハイアムズ監督らしいスピーディでスリリングなシーンになりました。
更に目を見張るのが見事なプロダクション・デザインの数々です。採掘基地の精巧なミニチュア、ディテールの細かい基地内のセット。マットアートなども巧みに組み合わせながらリアリティを構築しました。
現代のCGで描かれたものも素晴らしいですが、こういったアナログ特撮の方が観ていてワクワクするのは何故でしょう？
