S510

Orange(原題)のS510のネタバレレビュー・内容・結末

Orange(原題)(2010年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

テルグ語音声英語字幕で鑑賞。全てを理解できている訳ではなく、自分が恋愛ものを苦手としていることを差し引いたとしても、主人公とヒロインの情緒が意味不明で全く面白さを見出せなかった。
2010年の映画だから仕方がないとしても物語の初めからノリがキツくて、主人公もヒロインも好きになれないし、登場人物の誰にも共感できないし、お決まりのダンスも主人公がストーカー気質で暴走しているだけなので痛くて寒いだけだし、物語の結末に納得できる要素が何一つ無くて、とにかく自分には合わなかった。
主人公の"嘘をついているから恋が成り立つ(恋人関係が長く続く)"という主張をヒロインに納得させるためのゲームで、登場人物全員が不誠実というあまりにもご都合主義な展開にもウンザリした。

主人公が束縛の激しい元カノに懲りて【嘘をつかないと恋は長続きしない→嘘をつきたくないから永遠の愛を誓わない】という結論に至るまではまだ分かるものの、ヒロインからの永遠の愛への言及を拒絶し"自分は永遠の愛を誓えないけど、自分がヒロインを好きな間はヒロインには自分のことを好きでいてもらう"という考えになるのが本当に意味が分からなかった。
そういう主義なら同じ恋愛観の女と付き合えばいいのにそうはしないで、ヒロインに付きまとった挙句喚き散らかしながら自分で描いたヒロインの絵を上書きして最後はヒロインの元に戻るという、精神的に問題があるのでは?という言動を取るので、ずっと何がしたいのか理解できずに終わった。
永遠の相手じゃないなら、と主人公を否定するヒロインに執拗に付きまとったのが、実は永遠の愛を誓える相手だったのを主人公が無意識に感じ取っていた結果だった、というならそうと納得させるだけの流れがあるべきだと思うが、自分が読み取れなかっただけかもしれないがそんな要素は少しも伝わってこなかった。主人公の言動を通じて丸く収まるカップルたちも本当に意味が分からないし、気味が悪かった。

ヒロインもヒロインで、登場時の異様な騒ぎようと金切り声には只々ドン引きだし、主人公があの様に惚れたのが全く腑に落ちなかった。男漁りを目的として複数の男に声を掛けた挙句くじで相手を決めるとかいう好感を持てる要素が皆無な上に、主人公の押しの強さに流されているだけで主人公への恋心の強さを全く感じなかった。
主人公の刹那主義を知った後で、永遠の愛を誓って貰えるような行動を取る訳でも無く中途半端な拒絶をするだけで自分からは何もしないし、主人公に付きまとわれるのはさぞ迷惑だっただろうが身の危険を救ってもらった場面でも礼の1つも言わないので、ヒロインの良さが最後までさっぱり伝わってこなかった。

主人公とヒロインがくっ付いても良かったねおめでとうという気持ちにもならないし、インド本国であれだけ盛り上がれる要素がどこにあるのか自分には全く理解できなかった。
若かりし頃のチャランさんはとても可愛いけれど本当にただそれだけで、この映画から観ていたらチャランさんに興味を持つことは無かったと断言できるので、RRRで知れて良かったと個人的には思う。誰かにチャランさんの映画を勧めるとして、この映画を選ぶことは絶対に無いなと思った。
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