幌舞さば緒

Make Us Dreamの幌舞さば緒のネタバレレビュー・内容・結末

Make Us Dream(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

世界中に名が知られていたサッカー選手なのに一度もリーグ優勝の経験がないまま引退したスティーヴン・ジェラードのドキュメンタリー。何度も自分の手をすり抜けたものを掴むために逆境に向き合い、抗い、今もなお挑み続ける男の話。


台詞メモ

「リバプールの選手になれたことが人生最高の出来事だ。考えもしなかったことを成し遂げたし、想像を絶する経験もした。辛い挫折を味わったこともある。挫折感を抱いて生きる必要はないがそれも人生。そして試合の一部だ。ただプレーするのではない。万事に向き合うのがサッカーだ」

「僕は感じたんだ。今こそクラブと町から出て休暇を取る時だと。僕は何も考えられずにいた。答えや理由を探そうと努力したけど、そんなのなかった。どこにも。ここにいればサッカーから逃れられる。名声のためじゃない。気づいたらサッカーをしていた。プレッシャーに耐えられる環境で育ち、リバプールのために戦う選手になった。生まれながらのサッカー選手だ」

「スティーブンはジュニアチームに入った。27対0で勝った試合で12点を決めた。楽々とだ」

「トップ選手になると彼は言い続けた。リバプールには8歳で加入した」

「ここでは勝利への意識が極めて重要です。彼は相当な負けず嫌いでした。人の話をよく聞き常に集中していました。彼を見た時、素質があるとすぐに分かりました」

「サッカーがしたくてたまらなかった」

「あの子にはよく言った〝才能を生かせ。努力しないと生かせないぞ〟と。才能は使うべきだと私は思うんだ」

「彼は初日から周囲の期待を感じていました。それが刺激となって成長の一助になりました。一方で繊細でもありました思い悩んでもいましたね」

「サッカー選手には特有の波長を読む力がある。分かり合えていたよ。僕たちの居場所はピッチの上だ。パスを受け取るとスティーブンは生き生きする。僕たちはお互いをよく理解していた。〝ここで点を取る〟ってね」

「いつも相手チームの大柄な選手をまず捕らえようとした。そうすれば他の選手にもこっちの強さが伝わる」

「ある日コーチに呼ばれスティーブンは当たりが強すぎると言われた。試合ですからと言うと練習の時もだと言われた」

「負けた時はとても静かになる。いつも自分を責めていたわ。そして自分に正直だった」

「真の姿は試合まで分かりません。試合は試練です。その時に自分をコントロールできるのか?魔法があるんですよ。試合の持つ不思議な力がね。それがサッカーです」

「割れんばかりの歓声。ベンチに入ったら人しか目に入らない。心臓が早鐘を打つ。止まらない。出番が来ても現実とは思えず恐怖すら感じる」

「実際は3分か4分くらいだ。試合後の父さんの言葉覚えている。〝お前はリバプールでプレーした〟そこがゴールだと思っていた。だけど本当はそこが始まりだったんだ。初出場の日から人生が大きく変わっていった。本当の勝負が始まった」

「ピッチに立ったら万全の状態でいなくてはならない。逃げ場はない」

「息つく暇もないんだ。刻一刻と状況は変わる。一つ一つ判断を下して5秒後の出来事を予測する。これは夢じゃない。現実だ」

「新人の頃は若々しいプレーが必要だ。印象を残さないと次のチャンスがあるとは限らない」

「反則ではあるが〝よくやった〟と思ったよ。怖がったりしていない。あいつには覚悟がある」

「サッカー界は変化し社会も変わる。世界もです。それからサッカークラブは能力に応じた成功を収めたいと思っています。だが、大事なのは選手を見つけること。私に共感する選手を選ぶ。そして恐れずに勝つ意欲を表明すべきです」

「勝利という誘惑があった。僕が求めてきたことだ。自分に問いかけた。断ったらこの先どうなるだろう?試してみるべきだと」

「彼は責任を背負うごとに成長していった」

「すべての人に責任を感じ、自分のせいだと戒める。そして孤独になる。この時、実感した。好調なら人生最良の時になるが、不調なら人生どん底だ」

「決断するのはお前だ。でもファンは残留を望む。自分のルーツは変えられない。お前はリバプール人だ」

「ファンはお前を崇拝してる。お前は彼らの希望であり夢だ。お前の心にはリバプールがある。チェルシーなんて雑念にすぎない。自分が何者かを思い出せ。リバプールはお前のチームだ」

「十中八九、去るのが正しかっただろう。でも僕は多数派じゃない」

「スティーブンは人間としてクラブと故郷への愛着を示した。彼は次の試合で言った。クラブを率いるためなら何でもすると」

「クラブ最良の年に関わり強い絆を取り戻せて嬉しかった。自由を感じた。素晴らしいよ。かかってこいって感じだった」

「〝これで終わりだ〟と思い打ちのめされた。眠れなかった。僕は無力で助けが必要だった」

「雪道を松葉杖で歩き精神科医に会いに行った。そして思った。〝これはサッカーのせいか?〟2分話しただけで帰ろうかと思った。開口一番こう聞かれたからだ。〝引退後はどうする?〟と。そんな言葉は聞きたくなかったが、彼は僕を未知の場所に連れていこうとしたんだ。僕は終わりを感じた。そして考えてみた〝引退したら何ができる?〟それは僕にとって突破口だった。自分自身を追い詰めていたことにやっと気がついたんだ。引退を考えた。サッカーは僕の人生だが、それがすべてではないからだ。何よりも大切なのは家族だ。サッカーは麻薬のように中毒性がある。そしてプレッシャーを渇望する。僕の手をすり抜けたものを再び手にするのだ」

「絶対にこれを逃すな。いいか、好機を逃すな。聞いてくれ、いい流れだ。同じように続けよう。いくぞリバプール」

「その瞬間もシーズンの最後も鮮明に思い出せます。優勝を手放してしまいました。今でも胸が痛みます。でもそれがサッカーの定めなのです。ただ、考えてみてください。あの場にいた誰よりも彼は自分を責め後悔するでしょう。あの瞬間を。残酷すぎます」

「僕の目標はファンの誇りになること。達成できたかな」

「父さんやりきったよと言われて、言わなくても分かる。全部見てたと私は答えた」

「彼は地元で応援する人々に対して深い愛と敬意を持っています。思いが非常に強いから人々に受け入れられるのです。彼の信念はこうです。〝自分の気持ちが重要だ。勝利や地位を掴むよりずっと〟」

「素晴らしい旅だったけど、まだやり残してる感じがする。恩返ししたい。自分でも不思議だ。なぜあの重圧に戻りたいのか。荒波に揉まれたいのか。僕の旅はまだ終わってない。楽しみだ」
幌舞さば緒

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