半兵衛

クラス・オブ・1999の半兵衛のレビュー・感想・評価

クラス・オブ・1999(1990年製作の映画)
3.2
『処刑教室』に残っていた社会派テイストはどこへ言ったというくらい、ぶっ飛んだ漫画みたいな世紀末描写と『ターミネーター』や『ブレードランナー』などといった流行のSF映画の引用により続編というよりもはや別物に。でも流行りのものは何でも使うという逞しい映画魂は嫌いではない。

不良生徒を更正させ学校の秩序を守るべく学校に派遣されたものの暴走するサイボーグの教師と不良生徒の対立というストーリーだが、肝心の主人公を不良グループの一員であったが刑務所へ入ったことを切っ掛けに突っ張る行為に醒めてしまい一線を引いてしまう学生にしていることで校内での不良活動やそれに対応する先生たちとの争いを第三者目線で鑑賞でき独特な面白さを醸し出す。またヒロインも新しく学校に赴任した校長の娘という設定になっていて、「余所者から見た荒れた学校」の視点を見事に体現する。

後半は暴走して不良生徒を殺戮するマシーンと化した三人に対して生き残った不良グループの面子に対して事態の真相を知った主人公たちの説得により手を組んで戦うという学校要素はどこ行ったというアクション映画みたいな展開になるが、対立していた人間が極限状態で仲良くなるなど結構熱い。ラストはお約束の結末だけれど、『処刑教室』同様止められなかった者の苦さはしっかりと汲み取れる。

アンドロイド教師の一人をパム・グリアがノリノリで演じていて、ちょっと嬉しくなる。一方マルコム・マクダウェルは悪党になるかと思いきや常識的なキャラ。

学校周辺は世紀末らしく荒廃しているのに、その外側は普通の90年代の街並みといういい加減さがB級的なテイストを強くする。
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