まぬままおま

ラヴィ・ド・ボエームのまぬままおまのレビュー・感想・評価

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)
4.5
アキ・カウリスマキ監督作品。

愛しているけど、貧乏だと生きられない、か…泣きますね。

貧乏な作家と画家と音楽家がひょんなことをきっかけに仲良くなってビジネスをする青春劇。青春といえるほど彼らは若くはないが。

個人的には『コントラクト・キラー』からのジャン=ピエール・レオが出演していることが嬉しかった。

手遅れになる前に花が贈れるように懸命に生きようと思います。




追記(ネタバレ含みます)
ミミは作家の恋人とは対照的にさらに貧乏になっても画家の男と共にいることを選択する。その選択は尊いし、ミミは絶対に幸せにならなければいけない女である。だが、不幸にも病に冒されてしまう。最後の病院のシーンが素晴らしい。外にも出れない彼女が、お花をとってきてほしいといい、彼は病室から出て行く。そして彼が花を摘んで、戻ってくると彼女は死んでいるのである。これは彼が彼女をはじめて部屋に泊めたときも、花を渡せなかったことと共振する。この悲劇ははじめから予言されていたように思えてしまう。

あと素晴らしいと思ったのは、作家の恋人が列車で飛び立つシーン。といっても列車は登場せず、列車の影が過ぎゆき煙が噴くことで旅立ったことを表現しているのだ。何という経済性よ!!!意味も分かるし凄い。