Pinch

ラヴィ・ド・ボエームのPinchのレビュー・感想・評価

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)
4.5
さまざまな出来事があっさりと進行し何気なく終わって余韻を残すカウリスマキらしい作品だね。彼にしてはモノクロームのパリが舞台でフランス語という点がやや特殊に感じられるが、困窮する芸術家くずれがうごめく背景としては効果的。彼ら三人の繋がりにはなぜか惹かれるものがあり、ちょっと憧れを感じさせたりもする。

ラストシーンにおける『雪の降るまちを』の使用は、この場面の心情に合ってはいるものも、日本人だと歌詞が分かり日本文化の文脈で理解するためか、少しちぐはぐな印象を受けた。外国人だと、雰囲気に色を添える程度で自然に感じられるのだろうか。犬の名前にボードレールというのが気に入った。日本語では発音しづらくてだめだが。
Pinch

Pinch