ある映画の本読みをそのまま映画としたもの。役者たちの身体や発話の変化を捉えるという趣旨がある。
この映画における脚本とはまさに本読みをしている、なぜ友達の娘を殺すことになってしまったのか、というものである。本読みそのものもまた脚本のうちなのかとも思ったが、そうではないようだ。
ではその本読みは芝居ではないのかというと、いやそれはまぎれもなく本読みなので芝居なのであり、しかしカメラがまわって作品の趣旨も理解している役者たちはそのドキュメンタリーとしての芝居をも同時にしているのではないかなどと、芝居の階層について考えてみたりした。
映画制作の素材確認において、NGテイクも含めた一連をひととおり見ているときのような感覚を抱き、個人的におもしろいと思えるものではなかった。