だいごろー

王国(あるいはその家について)のだいごろーのレビュー・感想・評価

4.2
@ポレポレ東中野

今まで観てきたどの映画とも違う、ドキュメンタリーやフィクションなどのジャンル分けも拒否するようなとても不思議な映画で、唯一無二の体験ができた。

大まかなあらすじは最初の15分くらいで示されるんだけど、そこからはそのあらすじの中のポイントとなる6シーンくらいを俳優たちが繰り返しリハーサルをする様を繰り返し、カメラや場所、視点を変えて何度も見せられる。
結構忍耐が必要ではあるけれど、ああ、この人はこの台詞を聴くときにこんな表情をしてるのか、とか、少しの台詞の変化でこうも違うのか、とか、繰り返し観ることによって見えてくるものが確かにある。
特に何度も繰り返されるあるシーンは、最後の手紙を知ったあとに観ると印象が変わって見えて、色んなことが腑に落ちた。

なんかすごく高度かつ実験的なことに挑んでて、しかもそれが納得感と衝撃と共に観客に伝わるのって改めてすごいことなんじゃないかと思った。