面白い試みだとは思う。
ただ、役者が役を獲得する過程を観るというのはそれ即ち映画がフィクションであることを嫌でも感じさせられるわけで、ドキュメンタリーでもフィクションでもない領域を揺蕩っているような感覚になって辛かった。
山形国際に出品されているということもあってドキュメンタリーなのかとは思っていたが、結局なんなのかわからず。というか監督もどっちか明確に決めていないらしい。
繰り返しになるが、役を獲得する過程を観るというのは面白い試みだと思う。ただ、楽しめたわけではないし、同じシーンを観せられるのは正直苦痛。
監督と主演の方のトークは結構面白かった。リハーサルからカメラを回すと加害性や恣意性がまた違った形で出てくるといった話、監督と役者で演技の到達点に関する認識にズレがあること、とか。
思っていたのとは違ったが、観て良かったとは思う。