高橋知由の脚本を利用してはいるが、その映像化を行っていない。一部映像化したような部分はあるものの、そのほとんどは本読みとリハーサル風景。同じ会話を繰り返し、役者自身の言葉になるというかセリフがぴったしはまっていく過程を描いていた。特別な事件も起こらないリハ風景に150分は長い。これだけリハを重ねて監督の納得のいくセリフが入った役者の演技で出来上がった本編だけを見たかった。まあでも映画製作の中でセリフを重視し本読みやリハにこれだけ時間をかける監督もいるんだということや、それでセリフの完成度が確かに上がっていくんだということはよくわかったし、脚本に記された物語はとりあえず進んでいったので大体の内容も把握できたし、こういった常識にとらわれない映画もありなのかもしれない。
