みの

ズカルスキーの苦悩のみののネタバレレビュー・内容・結末

ズカルスキーの苦悩(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

年老いてからのズカルスキーと出会った
アンダーグラウンドで活躍していたアーティストたちが撮影した
ズカルスキーの映像と資料を併せて作られた
ズカルスキーについてのドキュメンタリー。

ズカルスキーがとにかくエネルギッシュ。
本人はもちろん、描いた絵も彫刻もパワフル。
そのパワフルさは映像でも十分に非凡で
作品の非凡さは、
それが美術館でメインに置かれて展示されても
おかしくないんじゃないか・・・?と思うほど。

そして何より本人がぶっとんでいる。
時に笑えるし、時に全然笑えないところまでいく。
本当お腹が冷っとするぐらい笑えない。
当時若かかったアーティストであるグレンを中心に
彼に夢中になる気持ちはわかる。
あそこまでぶっとんでいる人は
芸術なしでは生きていけないだろう。

それぐらいブっとんでいると、
夢中になる人もいれば、
心底嫌われたりもするわけで、
インタビューされている方たちの
語り口にそれが本人の人柄とともに
出てくるから面白かった。

それでも、思うのは、人は変われるけれど、
今はそう思ってはいない過去の過ちを許せるか/許せないかは
何によって生まれてくるんだろうな、てことだ。
それがメインの映画ではないにしろ、
考えさせられてしまった。

あと、社会ってつかめないものだけど、
それも人が作っているんだと感じた。
ズカルスキーがその社会の中心部にいた一人でいたことが
分かると、社会の怖さというものも感じた。

そんなズカルスキーでも人生はままならなかったし、
歴史を語りつくすことはきっとできなかったんだと思うと、
人間は不思議な可能性と絶望を抱えて生きるんだなと思った。
みの

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