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ズカルスキーの苦悩のSPNminacoのレビュー・感想・評価

ズカルスキーの苦悩(2018年製作の映画)
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知る人ぞ知る、でも美術史には載らないポーランド人芸術家スタニスラフ・ズカルスキーの謎に包まれた肖像。ゴツゴツと攻撃的でグロテスクに装飾的な彫刻群が異様な迫力を放っているが、その素顔もかなりの変人。好色で尊大でトンデモ持論を延々講釈する80代のヤバい爺さんにしか見えない。だが、祖国ポーランドとアメリカを行き来しながら時代や国ごとに様々な顔を持つ、とんでもない芸術家人生だった。
ポーランドの歴史や大戦の影響はあるとしても、考えることも作るものもとにかく極端から極端。同時に30年代ハリウッドや70年代アングラカルチャーとも結びつき、このドキュメンタリー製作者であるアメリカ人たちと親交。戦前の作品はほぼ失われ、過去の罪を背負い、晩年はいささか悪足掻きとも思え尚更哀れではある。ただエピソードは強烈だけど、狂気の天才というより才能の発揮し所を間違ったような人で、作り手が彼に惹かれるほどにはこのドキュメンタリーに引き込まれず。本編に一瞬顔を出しプロデュースもしてるレオナルド・ディカプリオ、ズカルスキー友人の親戚?
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