ふっくー

アスのふっくーのレビュー・感想・評価

アス(2019年製作の映画)
3.5
皆さまこんばんは。
今宵9月13日は13日の金曜日でございます。
いかがお過ごしでしょうか。
こんなホラーな1日はホラー映画を観て大いに盛り上がりましょう笑。



鏡で見慣れた自分は、実は本当の自分ではないかもしれない。。。。
「ゲットアウト」で一躍脚光を浴びて、世界に衝撃を与えたジョーダン・ピール監督の最新作。
今回はいわゆるドッペルゲンガーものの恐怖を描いたサイコスリラー。
自分の中でドッペルゲンガー物の映画でパッと頭に浮かぶのは「バイロケーション」や「複製された男」(まぁ結果的にこれはちょっと違いますが笑)が記憶に残りますが、今作はそれらと全く違ったテイストの作品に仕上がっています。

予備知識を一切無い状態で見に行ったので、途中までわけわからない感じになったんですけど、それに隠された皮肉や、コメディ、メッセージ性を感じることができれば、楽しめるとゆう好き嫌いの分かれる作品ですね。

「ゲットアウト」では黒人差別問題を皮肉った作風でしたが、今作もそういった現代の社会問題を浮き彫りにし、皮肉った怪作と言える。




それゆえ主はこう言われる、見よ、私は災いを彼らの上に下す。彼らはそれを免れることはできない。彼らが私を呼んでも、わたしは聞かない。

エレミヤ書11章の11節より引用。

今作は劇中でも何度も登場していたエレミヤ書11章の11節の内容が正にテーマになっている。
人間によって複製されたもう一人の自分。それは魂を持っていなく、地下施設に閉じ込められていた。それらが、上の世界に生きているオリジナルの自分を殺しにやってくるとゆう何ともおぞましい恐怖だけを描いており、基本設定や、誰が同じ人間を複製したのかなどの細かい説明は一切語られない。
ただ今作はその難しい基本設定や、説明が長くなりそうな内容にはスポットを当てておらず、皮肉さと不気味さがメイン。
それは現代社会における富裕層と貧困層の格差社会、貧困層が社会から迫害されている現実をかなり皮肉ってますよね笑笑。

地下施設に繋がるエスカレーターが下りしかない理由も、富裕層が転落するときはそのまま下に下がるだけであり、登ることはないとゆうメッセージ性も強く感じました。

賛否が分かれる結末は、この手の映画にありがちな、展開になるんですけど、ラストシーンで、息子のジェイソンが母親の笑顔に対して見せる表情はなかなかの残酷さがありました。

劇中に、地下の者たちが両手を繋いで、横一列に並ぶシーンは、
1986年5月26日に実際にアメリカで行われたイベントであり、劇中にも紹介されていたように、広大なアメリカ大陸の東の大西洋と、西の太平洋を人間が手を繋いで、1つにしようというチャリティーイベントのHands Across Americaというものですが、これすらも皮肉に感じてしまう映画を作る今作の監督はまさにホラー映画の世界に新しい旋風を巻き込んでくれると信じてます笑笑。

考える情報量が多すぎて、なんだかよくわからないレビューになってしまいましたが、気になる方は是非劇場に足を運んで、このなんとも言えない不気味さとメッセージ性を読み解いてみてください!!!

本作を観たあとにポスター観ると、涙の意味がめっちゃしっくりきます笑笑
ふっくー

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