古い作品のわりには
けっこういい感じのカメラワークの
学園モノホラー。
鶴田法男監督だからかな？
でも結局亡霊の謎は明かされないし
ラストも意味不明で終わるし
怖いシーンが便器の血だけってのもなぁ。
美少女率は高め。
せっかくプールのシーンがあるのに
スク水じゃないのは残念。

監督にお会いする機会があり、上映会で鑑賞しました。
今年観たJホラーの中で1番面白かったです♪

Jホラーの先駆者・鶴田法男監督の初期作。
学園ホラーとしての怖さよりも、両親の不和で家庭に居場所が無いという共通項で結ばれた女の子達のドラマとしての情感の方が強い。それ故にダークなラストも単なるバッド・エンドではなく、切なく哀しく深いラストとして心に余韻を残していく。

『画』で語る、映画的なストーリーテリングもお見事で、優れたホラー映画を作れる監督はやはり優れた技量を持っているという事を再確認した。カメラワークも趣向が凝らされていて巧み。

「友だちのパパが好き」「テラスにて」「ハード・コア」で今でも活躍する石橋けいが陰のある雰囲気で人を惹きつける女子高生役で登場、霊に取り憑かれた演技もかなり巧みでこの時から既に上手い。
何食わぬ顔で黒沢清が普通に役者として登場して、しかも妙に上手くて謎の説得力ある雰囲気を持っているものだから場面をかっさらっていくのが可笑しい。

原作本が劇中にそのまんま登場する井口昇監督「ライヴ」と同じ意匠、というかこちらが元祖か。「ライヴ」は山田裕貴が原作本を地面に叩きつけて堂々と原作の酷薄な精神を否定してみせたが、今作は原作者本人が登場して恐怖の根源について解説してくれる。


観ていて不思議だったのが、終盤で石橋けいが駆け出してからラストで主人公があの呟きをするまで、観ていて『あれ、このシーン俺観た事ある』という強い既視感があった事。単なるデジャヴではなく、はっきりと『この映画昔観た事ある』という想いに囚われた。こんなレアな作品、観た事があるはずがないのに。それが不思議。