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家族ゲームのCinemanのレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
5.0
家族ゲーム
森田芳光監督
1983年公開

【Story】
沼田家では次男・茂之の高校受験を控えてピリピリした毎日が続いていた。
両親の計らいで家庭教師がつくことになるが、やって来た吉本と名乗る男は三流大学に7年も在籍している男。
その教育指導も一風変わっていたが、茂之の成績は徐々にアップして行く。そしてそれにつれて沼田家にもある変化が…。(日活のサイトより)

【Trivia & Topics】
*圧倒的な面白さ!
この作品が公開されたのは42年前ですが今観てもこの奇妙な彩りの作品には大笑いさせられます。
三流大学の7年生という風変わりな家庭教師役の松田優作が出来の悪い高校受験生を容赦なく鍛え上げます。
森田監督のオフビートな演出に見事にハマった松田優作の個性的な演技が絶妙です。

*斬新な演出!
まったく音楽なしの誇張された効果音。
テーブル横一列に並んで食事をするという演劇的な画面設計など1981年に落語家ムービー『の・ようなもの』で見事な劇場映画デビューした森田芳光監督の斬新な演出が目をみはらせるホーム・コメディの傑作です。

*テンポを外した松田優作の絶妙な間のとり方は『舟を編む』で息子松田龍平が見事に受け継いでいます。

*受賞関連。
完成後の制作発表会見で森田監督は「私は天才です。この映画でキネマ旬報社のベスト1を取ります」とき言い放ち。監督選びにうるさい松田優作も試写を見終えた直後、森田に「お前は天才だ!俺たちはすごいものを作った!」と褒めたたえただけあり受賞歴が凄い。

- 第7回日本アカデミー賞
- 優秀作品賞
- 優秀監督賞:森田芳光
- 優秀主演男優賞:松田優作
- 優秀助演男優賞:伊丹十三(『居酒屋兆治』『細雪』『迷走地図』と併せて)
- 優秀助演女優賞:由紀さおり
- 新人俳優賞:宮川一朗太
- 優秀録音賞:小野寺修(『みゆき』と併せて)
- 第26回ブルーリボン賞
- 監督賞:森田芳光
- 第57回キネマ旬報ベスト・テン
- 日本映画部門:第1位
- 読者選出日本映画ベスト・テン:第2位
- 日本映画監督賞:森田芳光
- 脚本賞:森田芳光
- 主演男優賞:松田優作
- 助演男優賞:伊丹十三(『細雪』と併せて)
- 第38回毎日映画コンクール
- 日本映画優秀賞
- 女優助演賞:由紀さおり
- 第8回報知映画賞
- 作品賞
- 主演男優賞:松田優作(『探偵物語』と併せて)
- 助演男優賞:伊丹十三(『細雪』『居酒屋兆治』『迷走地図』『草迷宮』と併せて)
- 第5回ヨコハマ映画祭
- 作品賞
- 監督賞:森田芳光
- 主演男優賞:松田優作
- 助演男優賞:伊丹十三(『細雪』と併せて)
- 脚本賞:森田芳光
- 撮影賞:前田米造
- ベスト10:第1位
- 第24回日本映画監督協会新人賞:森田芳光


【5 star rating】
☆☆☆☆☆
(☆印の意味)
☆☆☆☆☆:見事な作品
☆☆☆☆ :面白い作品
☆☆☆  :平凡な作品
☆☆   :残念な作品
☆    :退屈な作品
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