コザカナカルシウム

家族ゲームのコザカナカルシウムのレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
4.4
二度目の視聴ー
かつて見たときは「台風クラブ」っぽい雰囲気で「掴み所がない」イメージだったけど、主張もシャレードもめちゃくちゃ明確な映画だった。それでいて、当時の日本映画っぽいよく分からないカットが入っていたりするのが好きだった。

横並びの食卓→個人主義・家族に無関心・心が通じていない
目玉焼きチューチュー→父親の性癖・子供っぽさ
お風呂で豆乳チューチュー→父親のこだわり
レザークラフト→家族の問題からの逃避・家族への無関心
ジェットコースターのオブジェ→能力の高さ・こだわり
シャーペン→弟の心理状態

特に食べ物や食事に関しては、人物像や家族の関係を表す重要アイテムだった。考えて見たら、その家族が何をどんな風に食べているのかであらかた人柄は見えてくるし、「食事」は「家族」を構成する大切な要素だもんなぁ…

吉本が茂樹をビシバシしごいて、性根が入ったものの、吉本が去ったら元の木阿弥ー相変わらず家族は何も変わらないまま、問題を抱えつつ絶妙なバランスで続いているというのがリアルだ。

「夕暮れ」と書き続ける部屋・びっしり書かれたノート・ガスタンクのある街の夕暮れのカットバックは、意味が分からないけれど、日活映画らしくて大好きだ。

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