「ママと娼婦」の前日譚的内容。恐らく本作にもユスターシュ監督の自伝的要素が色濃く反映されている。「ママと娼婦」の青春の残像を追い続けて大人になり切れない成人期初期の若者の孤独感、所謂 祭の後の静けさ へと繋がるような、青春期・思春期の終わり間際、所謂 祭りのフィナーレ の香りが本作には立ち込めている。この2作品にはユスターシュ監督の心境がとても鮮やかに描写されていると感じた。嘘偽りの無い心境、そしてその心境や状況の変化が意図せずとも2作品を通して述べられているように感じた。ユスターシュ監督は繊細で美しい根本を持つ素晴らしい映像作家。ジャン=ピエール・レオもこれまた本当に本当に素晴らしい。