剣呑な眼差しと身勝手なふるまいの永遠の小僧、ジャン=ピエール・レオが堪能できる一作。トリュフォー、ゴダール、リヴェット、そしてユスターシュなんて人たちがレオの代表作を作っていて、好みなのはリヴェットの『OUT1』でハモニカを吹きまくるレオと、トリュフォーの『アメリカの夜』でゴーカートに乗るレオ。本作におけるサンタ・クロース姿のレオもよい。欲しがっていたダッフルコートを手に入れても嬉しくはなく、ショーウィンドウで気に入っていたシャツは誰かが盗んでいたなんてあたりは、きっちり構成されている。そういえば、諏訪敦彦が『ライオンは今夜死ぬ』を撮ったときの話が面白い。あるショットを撮り終えたとき、レオが諏訪にこう尋ねたという。「フランソワ、よかったかい?」