おーたむ

美しすぎる議員のおーたむのレビュー・感想・評価

美しすぎる議員(2019年製作の映画)
3.0
学生時代によく目にしていた懐かしい名前を見て、つい手に取りました。
でも、動いて喋ってる姿を見るのは初めてかもしれない川村ゆきえ。
私にとってはグラビアの人でしたから。
で、見てみましたが、んー…。
規模なりの作品って感じですかね。

本作は、ディレクター&カメラマンの取材班が、元タレントの地方議員に密着しドキュメンタリーを撮る話なので、作品自体もちょっとドキュメンタリーチック。
個別の陳情にああまで寄り添う姿に、こんな議員いるか?と思ったりもしましたが、ドキュメンタリー的な演出に加え、存じ上げないキャストの方が多かったこともあって、リアルな感触はありました。
それに、熱意だけあっても何かを成し遂げることは叶わないということを見せるには、こんな議員いるか?という人物造形は効果的だと思わなくもないですし。
そこら辺は上手く作られてたと思います。

気になったのは、えらくたくさんの問題や出来事が描かれているので、話が少々散漫に見えてしまうところ。
地方レベルであっても、政治家が真剣に職務を果たそうとすれば、あれだけたくさんの問題に直面するのかもしれませんが、本作では、議員がぶつかる諸問題のどれも、表面をさらった程度のことしか見えてこなくて、やや物足りなかったです。
ジェンダー的なレッテル貼りとか、政治的な力がないと政策を実現できないという現実とか、主に女性が直面している諸々の社会問題とか、大衆の政治的リテラシーの低さとか、マスコミの報道のあり方とか、かなり多くの要素が詰め込まれていますが、どこかを削り、ポイントを絞れば、深く掘れる箇所も作れたのかなと思いました。
わかんないですけど。

結局、最後までスッキリとせずモヤモヤしたまま終わるので、観客に考えることを促す作用を持ってる作品だとは思います。
ただ、私は「チャイナ・シンドローム」「トラフィック」「ボーダーライン」「スポットライト」など、社会問題を取り上げつつ、面白さや見ごたえも疎かにしてない作品をこれまでに見てきてるので、そういった社会問題告発型の諸作品と比較すると、やっぱり物足りなさは感じました。
世に数ある社会的課題のなかで、こういうところに目をつけたのは面白いと思いましたけど、着眼点が良ければ必ず作品が面白くなるというわけでもないですしね。
私にはそれほどハマらなかったです。


※追記
久々にお姿を拝見して一月も経たないうちに、ご結婚の報を聞くことになるとは。
おめでとうございます川村ゆきえさん。
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