菩薩

ワイルドツアーの菩薩のレビュー・感想・評価

ワイルドツアー(2018年製作の映画)
4.3
観ちゃおれん…って感情と永遠観ていたいって感情がバッチバチのバトルを続けていたため終始😌←な顔をしながらの鑑賞となったが、最終的に後8時間は観させてくれと言う妥協点で落ち着いた。人生とは「立ち入り禁止」を突破して行く冒険だ。関係者になれば簡単に突破できる場所もあれば、そうで無くとも勇気さえあれば突破できる場所もある、逆に関係者であり勇気があろうともどうしても突破出来ぬ壁もある、叶わぬ恋とは、そんな物の一種に当たる。図らずも「きみの小鳥はうたえる」状態になってしまったのは演者のスケジュール的問題だったらしいが、あの作品に感銘を受けた者は確実にこちらも観るべきであるし、観ていない者もかつて青春を経験した身として、改めて叶わぬ恋に挑んだあの頃を思い出しつつ身悶えするが良い。監督曰く「SFを撮りたかった」らしく、確かに素人であれDNA採取がいとも容易く行えてしまう現代社会そのもの、そしてこの様に誰でも撮ろうとする意思さえあれば「映像」を残せてしまう現代は、既にそれ自体をSFと呼ぶべき時代に突入しているのであろう。中学生を相手に歳上のお姉たまが「今度の週末暇?一緒にDNA採取行かない?」だぞ、エロ過ぎるだろ、中学生のエロ脳を舐めすぎである。本作のヒロインのうめちゃん、方言と言い、可愛すぎるリアクションと言い、さりげないボディタッチと言い、あいつはナチュラルに小悪魔だ、好きです、俺も春から高校生なんで付き合って欲しい。やっている事自体はまさにSFかもしれないが、映画それ自体のプロセスは非常に古典的、こうして映画は再びブラッシュアップされて行き、混迷の日本映画は輝きを取り戻せる、のであろうか?の答えは今しばらく保留とすべきであろうが、監督が「役者のええ顔」を撮ること、物語であるからドキュメントには撮れない瞬間を撮ることにこの映画は成功していると思う。いいぞ三宅唱、もっとやれ、んでやっぱり田我流にそっくり過ぎて見分けがつかないぞ。季節は既に春である、別れの先に緑は芽吹くか。
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