ユダヤ人をターゲットにする美術商と、父のコレクションを守ろうとする娘の物語。
myFFF2019短編4本目。
映像がほんと好み。
始まってすぐ、このまま2時間続くんじゃないかと思うほどのクオリティに目を奪われた。
ナチス・ドイツ時代、ヒトラーはユダヤ人や占領した国々から多くの美術品を奪った。
その数およそ60万点。
そのうちおよそ10万点は、今もなお発見されていないという。
かつては何不自由なく暮らしていたであろう父と娘。
今は黄色い星をつけ、怯えるようにひっそりと暮らしている。
それでも娘は、父が集めたコレクションだけは、頑なに守ろうとする。
そこに込められた想い。
伝えたいことを極限まで絞り込んでいるからこそ、13分でも観る者の心をつかみ、震わせることができる。
もちろん長編にもなり得る物語だが、短編から背景を想像するのもまた素敵。
原作があるらしいので、ぜひ読んでみたい。