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宮本から君へのKKのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
3.9
感情のぶつかり合い、この熱量で演じることができるのは池松壮亮と蒼井優だけだったかもしれない。いい意味でだけど、ガッキーと星野源には出来ない演技だとも思う。

男と女の弱い部分も汚い部分も、それでいて自分勝手で、自分のプライドを守るために他人を利用して。なんか凄い映画だ。

原作もドラマも知らないけど、この作品だけでもかなりのエネルギーは感じた。ドラマ見てればもっと感情移入できたのかな、、、。

レイプのシーンは本当に胸糞悪くて、辛くて流石に目を覆いたくなった。けど、あんな人間が世の中には存在して、のうのうと生きていることも事実。

公園のシーンからの蒼井優の演技は圧巻だったなぁ。犯人を殺したいほど憎む気持ち、ただ寝てただけで守ってくれなかった宮本を殺したいほど憎む気持ち。その怒りを演技の全てで表現する蒼井優は本当に凄い女優だ。

靖子の職場で結婚してほしいと怒鳴りに行くシーンは本当に修羅場笑。実際に会社であんなこと起こったら面白すぎでしょ。数年はネタにされそう笑。

タクマの父親(ピエール瀧)もやっぱいい役者。自分の子供だから、何があっても信じたいという気持ちと、自分の子供だから他人を傷つけた時には許せないという気持ち。その葛藤をすごい感じた。父親と母親でまた考え方は変わりそうだけど。
それに対しての宮本の、あんたは関係ねぇだろ、そこまで我が子がかわいいか、ってセリフと演技は迫真過ぎて怖い。池松壮亮すげぇって改めて感じた瞬間。

戦闘シーンはもう痛い😣どっちも痛い😭
前歯折られても、指を折られても、勝たなきゃいけない戦いがある。のか??
物理的に勝つことが困難な敵、勝ったとしてもどうにもならない敵に対して、突っ込むのは、ただの無謀では?靖子のセリフにもあったけど、それをしたところで報われるのは宮本だけなんだよな。そんなことされても靖子の傷は癒えない。だけど、全世界を敵に回してもいいという覚悟は伝わってきたなぁ。

あと、命懸けのケンカをした後のアドレナリンガンガンでてる宮本を池松壮亮があそこまで演じられるのが怖い笑。目がイッちゃってたよ。


エンディングのエレカシもよかった、、、。
原作がエレカシの宮本さんを意識して書いて、それが映画化して歌を歌って貰えるって最高だと思う。またエレカシの曲聴きたくなった。
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