モヤモヤする話です。
ストーリーも宣伝の仕方も時代錯誤が甚だしい。
性犯罪=レイプが物語の核となるのに人生讃歌エンターテイメントって言える人は頭が完全におかしい。
男の作る男社会の自己中さ、性犯罪を使って安易にドラマを盛り上げようとするあさはかさ、そしてこのストーリーの持つねっとりとした性質がとにかく気持ち悪い。
フィクションでも時代設定が90年代だったとしても、今見せるべき映画ではないし、今賞賛されるべき映画でもないと思う。
確かに役者の演技はすごかった。こんなふざけた話を映画として成立させているのは出演者たちに説得力があるからでしょう。
基本的にこの映画の出演者はみんな好きな役者だし、彼らを思うと自分のつけたスコアに心苦しさを感じなくはない。
それでもやはり、性犯罪とエンターテイメントは相容れないし、描き方は完全に間違っている。
別に性犯罪を映画で扱うなということではない。しかし、ただただストーリーを盛り上げるための起爆剤として使うべきではないし、宮本と靖子の愛の試練なんて形容はすべきではない。
この作品のストーリーがおもしろいと感じた人には考えてみて欲しい。
あなたが本当に大切に思う人が靖子と同じようなシチュエーションに襲われ、宮本のようにオチが着いて、本当に爽快感を感じることができますか?これでよかったと本当に思えますか?
このレビューを読み、別にフィクションなのだからいいじゃないかと感じた方には、同じ意見を被害に遭った女性の前で言うことができますか?と問いたい。
あらすじ
文具メーカーに勤める不器用な宮本。
彼は前歯、腕を折る大怪我を負っている。相手も相当の怪我をしているのだが、宮本を訴えることはしないようだ。
宮本のケンカの原因は結婚をする靖子がどうやら関係しており、物語は宮本と靖子の出会った頃に巻き戻される…