金宮さん

宮本から君への金宮さんのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
3.0
過剰に次ぐ過剰。新井英樹さんの漫画はなんどもチャレンジしては挫折しており、真利子監督なら池松壮亮さんならいけるかと鑑賞しました。

思いの強さを、ハイすぎるテンションと時には痛みをもって響かせる。それが効果的なこともある。確かに絶望的状況にあった靖子に覚悟とか愛を伝えるにはそれ以外ないかもなーと思わせる。

でもそれって肝心な一瞬だけ効果的なのであり、とにかくずっと騒いだり怒っていて緩急がない。飲み会の乾杯すら独特な音頭だ。マーケティング会議では、(確実に主人公のモデルになってるであろう)宮本浩次さんや峯田和伸さんあたりの名前が挙がってそうだが、彼らは伝えたいことを伝えるために熱を選択している。柔和なアプローチもあり得た中での、結果としてのボルテージなんだよなーと言いたい。大ファンなので。

パワー系ってこういうこと?というあざとさを感じるのが苦手な理由。(とっても怒られそうだけど、、)

多分、原作の再現度はとっても高く、特に蒼井優さんなんてチラッとしか読んでない私でもわかるくらい新井英樹さんっぽさがすごい。大げさな所作や男勝りな口調で背中をバンバン叩きそうなあの感じ。

監督やキャスト陣は最高のパフォーマンスをしており、私が苦手なだけ。特に真利子監督は、ディストラクションベイビーズで静かな狂気を描くことについては折り紙付きなので次はオリジナルが観たい。
金宮さん

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