真利子監督の前作「ディストラクション・ベイビーズ」がほぼオリジナル脚本で、“ザ・真利子監督作”といった色合いが強かったのに対し、本作はハッキリ“新井英樹漫画原作”という強烈なクセが前面に出ているので、そのへんで評価は分かれるかもしれない。それでも私は真利子さんと新井さんの相性は良いなと思いましたね。
評判通りめちゃくちゃ面白かったし、
暑苦しいまでに熱かった。
もう主演ふたりの熱演に関しては言わずもがな、撮影時のハードさは計り知れないなぁと思います。「斬、」以来二度目のタッグということもあり、相性の良さも感じさせます。端役の松山ケンイチや、井浦新の存在感も◎
暴力描写に関しては、真利子さんは北野映画にガッツリ影響を受けている世代ということもあり、ドライなようでとても重量感があります。
池松くんが終盤、指を何本か折られているのに思いっきり手から地面に尻もちをついたりする描写があって、そういうツッコミ所はたしかにいっぱいあったけれど、これは漫画原作で漫画的な描写がどうしても多くなるので仕方ないのかなとも思いました。
とはいえ、主演ふたりをはじめ今年賞レースを席巻するであろう傑作なので観て損はなし！
『愛しのアイリーン』に続き、新井英樹原作の映画化は確実に日本映画界に爪痕を残すのでは？と思います。次は深作欣二監督が叶わなかった「ザ・ワールド・イズ・マイン」実写化だ！
