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宮本から君へのyoukiのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
4.0
この作品は、同タイトルの漫画の後半部分を描いたヒューマンドラマ。
宮本浩という不器用な男が恋愛を機に命がけの復讐に挑む話。
ドラマ版も存在する。しかし、ドラマ版は原作の漫画とは内容が少し異なっており、今作はそこをより忠実に描いた作品となっている。

自分は漫画もドラマも観ていない無の状況で観たけど、ストーリーについていけないとかはなかったです。

とにかく役者たちの演技が素晴らしかったです。
特に、主人公宮本の役を演じた池松壮亮ははじめと最後で顔つきと人格までもが変わっていて、恐怖さえ覚えたぐらいです。この映画の一番の褒めどころです。
ジャニーズ他のアイドルや芸人などが役者として活動出来る日本には、あまりこうした汚い役を出来る人が少ない気がしますが、彼はそういった役をしっかりとやってのけました。蒼井優にも同じことが言えます。
脇役の人たちの演技も良かったです。

ストーリーに関してはおそらく好き嫌い分かれるでしょう。でも自分は好きです。主人公がアホなので先の展開を予想するのは出来ますが、池松壮亮の演技と魅力的なセリフで凄く見応えがあります。
殴り合いのシーンは、目が離せない代物です。
音楽bgmは、あまりなくてシュールさも感じましたがそれもこの映画のトーンに合っていて全然退屈に感じません。そしていざ流れた時は凄く興奮しました。使うタイミングも良かったです。

悪い点は、前半は時系列をばらしながら話が進みますがそれが少しややこしくてストレスを感じました。
おそらくトラブル→鍛錬→喧嘩のきっかけから復讐までのシークエンスを途切れなくしたかったのでしょう。
それでも少しもったいない気がします。

それでもこの作品は、2019年の邦画の中でトップ級に素晴らしい作品だと言えます。

結論、頑張れ!応援してるぞ!宮本!
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