あなぐらむ

暴行!のあなぐらむのレビュー・感想・評価

暴行!(1976年製作の映画)
3.7
80年の「レイプハンター 狙われた女」の源流とも思えるバイオレンス監禁ポルノ。
厄ネタを抱えた女が男のもとに帰ってくるというプロットはまさにフィルムノワール。梢ひとみが相手なら地獄巡りもカモンである。高橋明、益富信孝、椎谷健治ら男優陣が個性を競う怪演。
宮井れいなはまだ新人でレイプされるだけという潔い展開、この頃は梢ひとみとの競演が多い。

季節外れの別荘、極限状態で因縁の男女が憎しみと愛欲の間で揺れる。女盛りの梢ひとみの色気が横溢する70分。
雨の中帰ってくる梢ひとみ自体が悪夢みたいな感じだが、今で言う寝取られみたいな構図の中逃げられない展開になるのが巧い。
レイプするのは庄司三郎。この人も容貌が独特。
指輪から始まって指輪を砕いて落とす構成は見事。
脚本は佐治乾と斉藤信幸の共著だが、斉藤テイストが強い気がする。
因幡晃、山崎ハコに都はるみと歌謡ポルノの味わいも。最後は松田優作の歌で締めるのは沢田流。