イチロヲ

暴行!のイチロヲのレビュー・感想・評価

暴行!(1976年製作の映画)
3.5
極道の女(梢ひとみ)と所帯を持ったバー経営者の男(益富信孝)が、警察から逃走している暴力団のグループに襲撃されてしまう。極道との接点をもつ男女カップルの顛末を描いている、日活ロマンポルノ。

極道からの「脱出不能状態」を描いた女性視点のドラマと、棘のある女に惹き寄せられる「男の性(さが)」を描いた男性視点のドラマを掛け合わせている作品。梢ひとみが訳あり女性を熱演しており、大きくて肉厚のある乳輪が、常に何かを訴えかけてくる。

主人公カップルを襲撃するのは、高橋明をリーダーとする極道の少人数グループ。年長者のリーダーは警察を欺くための作戦を練ろうとするのだが、肝心の若手連中が「崖っぷちに立たされたら、とにかくヤリたくなる」の心理を滾らせてしまう。

同じことを何度も繰り返しているような作風のため、平板に感じられるきらいがあるけれども、益富信孝と高橋明が取っ組み合いするだけでエキサイト必至。松田優作歌唱「ある子どもの話」から、雲散霧消へと繋げていく着地点もアッパレ。
イチロヲ

イチロヲ