dm10forever

FIGHTERS THE MOVIE ~Challenge with Dream~のdm10foreverのレビュー・感想・評価

4.5
【道標】

日本ハムファイターズが北海道に移転してからの15年を追ったドキュメント作品。

恐らくファイターズファンじゃない人には「ふ~ん…」となり、ファイターズファンにとっては涙がちょちょ切れるほどにエモーショナルな作品。

ファイターズファンの僕は劇場で泣いて笑って驚いて、そしてまた泣いて😂
そうだよな~。移転当時、ファンも期待半分不安半分みたいなところがあったけど、それは球団側だって一緒。いやもしかしたらそれ以上だったかもしれないね。
ぶっちゃけNPBの中でもそれほど人気球団と言うほどでもなかった日ハムが、プロスポーツ未開の地北海道で受け入れられるのかって。
でも当時の映像を改めて見て、球団スタッフや選手たちが必死に北海道にアピールしてたのがよくわかるし、あの時の彼らの努力は確かに実を結んだんだなって実感できる。

ファイターズが他のチームと一線を画すのは「スカウティング」と「育成」とよく言われるけど、そこに至る過程でチームがどのように舵を切っていったのかについても非常に興味深かった。
もともと人気があったチームではなかったから、ドラフトの自由枠ですら希望する選手ではなく、他球団の余りみたいなところしかいけなった時期があったんだけど、北海道に移転してからの「若い選手達を試合に出して成長させることがチームの責任であり、チームの成長に欠かせない」という基本スタンスは実に明確だと思う。

…あと、やっぱりファンが気になるのは「ダルビッシュの移籍の真相」と「大谷翔平の入団の経緯」ですよね。
ここにも思いっきり触れています。
特にダルビッシュがアメリカに行った本当の理由は衝撃でしたね。
薄々気付いてはいたけど、やっぱり本人の口から聞くと「はぁ~そうかぁ」と。

大谷の入団までの経緯も、世の中でいわれていることは若干ニュアンスが違っていて、そこには今までの方針からいっさいがっさいぶれないファイターズの方針(その年の一番をとりにいく)をそのまま行った結果だし、ファイターズの熱が大谷の心を動かしたって言うのが伝わってきたしね。

そしてまた明日に続いていく道。

ホントに大変だったんだねってつくづく思う。当時の担当者のコメントで
「これは単なる移転じゃなくて、新しいチームが誕生することを意味していた」みたいなことを言っていたけど、その通りだと思うよ。
だからスタッフも選手も一丸となって必死に北海道日本ハムファイターズを売り込んでた。
特に新庄の斬新過ぎるパフォーマンスなんかは、考えることは簡単かも知れないけど、実際に沢山のことをやってファンの心を一気に掴んでいた。
「野球に興味のない人たちが興味を持ってくれるように」
それはとても純粋な気持ち。
彼のお陰でパリーグはセリーグを名実ともに凌駕する魅力的なリーグに生まれ変わったと言ってもいいと思う。

常に新しいことに挑戦し続けるファイターズというチームが北海道にいてくれることをいちファンとして誇りに思います。
dm10forever

dm10forever