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アラン・ドロンのゾロのakrutmのレビュー・感想・評価

アラン・ドロンのゾロ(1974年製作の映画)
3.5
スペイン領のメキシコを舞台に、アラン・ドロンがゾロに扮して活躍するという邦題そのままの内容の、ドゥッチョ・テッサリ監督によるマカロニ・ウェスタン的娯楽映画。

他の映画ではほとんど演じることのない、勧善懲悪もののヒーローを演じるアラン・ドロンを楽しむことができる。剣を自由自在に操りながら悪者を退治する姿がなかなか様になっている。もっと貴重なのは、ディエゴのときの情けない姿をコミカルに演じているアラン・ドロンを見れる点だろう。他の映画では、こういうコミカルな演技をほぼ見せていないと思う。そもそも、マカロニ・ウェスタン衰退期の喜劇路線を踏襲するように、映画全体が喜劇的である。主題歌『Zorro Is Back』のラテン的な陽気さも、映画にとてもマッチしている。

最近のアラン・ドロンと言えば、彼の事実上の伴侶になっている(謎の)日本人ヒロミが、ドロンと三人の子供との中を裂こうとしているとして、子供たちが告発して警察が捜査しているみたいな話が話題になっているが、脳卒中から回復後の2021年に TV5MONDE のインタビュー番組では、自分で企画した映画にあと1本出演して俳優人生を終わらせたい(監督としてリサ・アズエロスの名前もあげている)と語っている。ほぼ実現は難しいとは思うが、彼の願いが叶うことを祈りたい。
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