甘口パンダ

たちあがる女の甘口パンダのレビュー・感想・評価

たちあがる女(2018年製作の映画)
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オープニングで「WOMAN AT WAR」のタイトルとともに3ピースバンドが聴こえてきたとき、
「スーザフォンやん😍 これは好きなやつ❗️」ってわくわくしたのだけど•••。
牧歌的かと思ってたのに、思ってたのとは違いました。まったく。

でも、見て良かったと思う。


全編をとおしてシュール&ややコミカルな味付け。これが緩衝材になってるから救われるけど、そうでなければすごく息苦しくなってきたかもしれない社会派スリラー、かな。
笑いって本当に大切。

10日くらい前、ゴッホの「ひまわり」にトマトスープをかけた環境活動家のニュースを見ました。4日前は、モネの絵にマッシュポテトがかけられた。環境保護を訴えることは悪いことではないけれど、これらはひたすらに不快なニュースだった。

環境活動家、もといエコテロリストの活動は、メッセージに対する共感よりも、その手段に対する嫌悪感が遥かにまさってしまう。ただ、「そこまでするか」という感情がある一方で、そう思うことは呑気すぎると少し(自分自身から)責められているような気分にもなる。



美術品を傷つけようとした現実世界の彼らと、ハットラは少し違うけど•••。うーん。
ハットラはこれからもハットラのままだろうな。監督さんは“おとぎ話”と言ったらしいけど、寓話って言われるのもなんか嫌な感じがするんです。


終盤、3ピースバンドが合唱隊に傘をさしかけてあげてたけど、アイスランドでは傘はあまり使わないそうです。

風の強い国土の雨は横なぐりで、傘は意味がないから。


うーん、とても複雑な余韻を残す映画でした。

あまり真剣に捉えすぎるのも違うような、面白がるのも違うような•••。そういう複雑な気分です。
甘口パンダ

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