晴海通り

シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢の晴海通りのレビュー・感想・評価

3.7
情熱のありか。

ミッドライフクライシス。中年のキツさ。昔ほど健康じゃない。仕事も先が見えてる(気がする)。家族には疎まれてる。あるいは疎んでくれる家族もいない。モテない。金もない。それでも日は沈み、また昇る。毎日という現実。働かないと食えない。生きていけない。働くために生きてるのか、生きるために働いてるのか。ツラみ。肉の部位か。

そんな弛み始めた肉に鞭打つ日々。プールに反響する鬼コーチの罵声。大人になってから骨なしに怒られることってそうないからね。止まる思考。筋肉ついたからって全てが解決するわけじゃないけど、でもウジウジしょうもないこと考えてしけた顔してるよりマシなのかも。

ウォーターボーイズから20年(!)。男子シンクロはついに世界へ。人それぞれ良いところと難しいところがある。小さなことだけど、人間一人じゃ生きていけないんだよね、ほんとに。みんな足のつかないプールで毎日手と手を取り合いながら、なんとか水面下で足バタつかせて生きてんだよ。

また同じ日々に、自分に戻るとしても、仲間と神々しい朝日を拝んだ日の記憶は確実に自分を温めてくれる。ちょいちょいスタッカートなところはあれど良い映画でした。
晴海通り

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