鬱病で仕事に就くことができずに引きこもり気味の生活を送っているお父さんが、何故かアーティスティックスイミング（シンクロ）に興味を持ち、似たように複雑な事情を抱えたおじさん達と共に世界選手権を目指す物語。
おじさん達の友情を描いた物語かと思いきや、どうやら実在するおじさんシンクロチームをモチーフにしたストーリーとのことで、後半から本気で世界選手権を目指すスポコン展開に突入していきます。たるんたるんのお腹のおじさん達が本気で競技に挑む姿は応援せずにはいられません。
おじさん達のシリアスな事情をコミカルに描きつつも、他人の不幸を笑うだけの映画ではなくて、たとえ滑稽であろうとも立ち向かう姿を描くところが、他人からすれば失笑を禁じ得ない「おじさんの男子シンクロ」というテーマと重なってお互いを補強しています。また、一番大きな問題を抱えているのはコーチかもしれない、という物語の二重構造があり、彼女の視点からおじさん達が奮闘することの意味を考えてみるのも面白いですね。
