カズザク17

英雄は嘘がお好きのカズザク17のレビュー・感想・評価

英雄は嘘がお好き(2018年製作の映画)
4.0
人助けの為に、つき始めた嘘。最初は小さな嘘から始まり、回数を重ねる度に、嘘に嘘を塗り重ねる度に、その嘘がどんどん大きくなる。空想・妄想の壮大な物語が完成してしまう。
一方、物語の主人公は、行った事もない国に連れて行かれ、戦った事もない相手と戦わされ、挙句の果てには敵に囲まれ…。知らない所で勝手に「英雄」に祭り上げられ、故郷に銅像まで作られ…。生きて帰ってきたら、一緒に嘘をつかされ…「英雄」も大変である。
殆んどが嘘だらけなので、その中にある一部の真実…戦場での壮絶な戦い、襲撃者に一人で立ち向かう勇敢さ等…が際立って、胸にジーンと来るのが不思議な感覚である。最後の反対方向に馬を走らせる「英雄」に、根っ子の部分は変わらない「英雄」らしさに笑えた。