ストレンジラヴ

英雄は嘘がお好きのストレンジラヴのレビュー・感想・評価

英雄は嘘がお好き(2018年製作の映画)
3.5
「終わりよければ全てよし...のはずだった」

時は1809年、婚約間もないヌヴィル大尉(演:ジャン・デュジャルダン)は命令により戦地に赴き、音信不通となる。夫に会えず日に日に弱っていく妹を見かねた令嬢エリザベット(演:メラニー・ロラン)は、ヌヴィル大尉を偽り手紙を作成する。妹が元気になったのを見計らってヌヴィル大尉が戦死したことにし、自演を終わらせたエリザベットだったが、なんとヌヴィル大尉は生きており3年後の1812年に軍を脱走して帰ってくることに。ヌヴィル大尉に事情を説明したエリザベットは、2人で架空の英雄としての"ヌヴィル大尉"をでっち上げる…。
小気味よくお上品でくだらない。そしてロラン嬢が可愛い。あー可愛い超可愛い。基本的には頭空っぽで観ていられる安心感があるが、終盤はほんの少しだけビターな展開もありほんのり切ない。フランスの田園風景も美しくこれだけで目の保養になる。
汚い笑いはあまり笑えないが、上品な連中が死ぬほどバカだと心の底から笑える。冷静に考えれば明らかに嘘だろうという話さえ大真面目に受け入れてしまうのだからこれほど滑稽なことはない(まあ、だからこそ終盤のヌヴィル大尉による独り語りが効いてくるのだが)。ボリューム感もちょうどよくサクッと観たい作品を探しているときには是非。あーロラン嬢すき。