近未来の多重人格はシステムでコントロール出来るらしい。
だが、どちらかがどちらかに介入すればそのバランスは崩れ去る。
観終わったあとの脱力感と来たら……。
自分の体の中で同じことが起きていたというのを考えるとメンタルがやられた。
「殺した」という感覚を経験した側の人間としては、冗談じゃないくらい気持ちを抉られた。
とりわけジョナサンがしたことで、ジョンが怒るシーン。
日課の報告をしないジョンに只管謝り、日常にあったことを話し、またキレ、そして心配する。
寂しい、という気持ちがしっかりと描かれていて当時を思い出してしまった。
ジョナサンの虚しさに共感した。
この病気は体を通してという話を抜きにして、友達や兄弟と付き合うのと似ている。
だから労わるし干渉するし苛立つ。
自殺を思う彼を必死に止めようとする彼に、痛いほど共感した。
失う辛さは半端じゃない。
ひとつの体で2つの人格をタイマーで管理する設定。
ひとりの名はジョナサン。
もうひとりの名はジョン。
ジョナサンは朝、ジョンは夜。
映画的に面白いと思ったのは、ジョナサンの生活だけを追ったストーリーだということ。
ジョンがどう生きているのか明確に描かれない。
それが後々の展開に効いてきてよかったと思う。
タイトルもジョナサン。
それが凄く美しく意味を持ったラストだったと思う。
あっちを立てればこっちが立たぬ。
そんな日常風景がホントにリアリティがあった。
うまくシェアハウスする為には、やはりどちらがどちらかに介入するのはやめた方がいいのだと理解できる。
それが出来たら無理ないが。
とりあえず観終わったあとのメンヘラ感がやばかった。
疲れた。
インテリアが素敵。
ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★★☆
キャスト: ★★☆☆☆
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ★★★☆☆
cc/《午前7と午後7時》に切り替わる、ふたつの異なる人格。
すべては、完璧にコントロールされているはずだった──。