津軽系こけし

ロード・オブ・カオスの津軽系こけしのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)
4.1
弱く、邪悪な、生き様

🔶実在したブラックメタルバンド
🔶監督もブラックメタル出身
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👁‍🗨感想👁‍🗨
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🔷実在したバンド”メイヘム”の若者らは、自己顕示と自由のためにブラックメタルの名を叫び、暴力的な行動に走る。ブラックメタルを個人の身勝手のための装置と思い込み、取り返しのつかない制御不能に陥ってゆく。若気の至りを恥ずかしげもなく誇っていながら、それでも伝説となった彼らの真実に迫る。

🔷単なる現実逃避のために辿り着いたブラックメタルに、中途半端な夢を見てしまう。ブラックメタルとは彼らにとって、浅はかな信念を肯定するための虚構に過ぎない。その虚構という名の隠れ蓑があったせいで、若さが中途半端な狂気に落っこちてしまう。しかし、今作はそれを悲劇とは語らない。

🔷むしろ本作は、その悲劇的な身の上すらブラックメタルの精神とでも言うように、我々を嘲笑っているようである。だからこそ、したがって、彼らは伝説なのだろう。
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👁‍🗨まとめ👁‍🗨
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💀ちょっとグロい青春映画って感じの口触りです。若者の虚構の話と聞いていたので「エレファント」みたいな作品を想定していたのですが、実際はもっと娯楽寄りの映画でした。それこそ「ボヘミアンラプゾディ」を観るぐらいの気持ちで良いと思う。
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