ロクシ

ネバーランドにさよならをのロクシのレビュー・感想・評価

ネバーランドにさよならを(2019年製作の映画)
4.0
(6/19)追記:
被虐待児を誹謗中傷するマイケルジャクソンファンは、頑なに「マイケルは小児性愛者ではない!被虐待児は嘘つきだ」と繰り返します。
マイケルの全てが好きなら、何故小児性愛者であるマイケルを受容できないのか不思議です。
本当のファンなら彼の性癖も受け入れてあげては?
劇中、被虐待児のウェイドの母ですら
「マイケルがそういう病気なのだったら、彼を許せると思う。でも子供を守れなかった自分は許せない」と語ってるんですよ。
過激派のファンの方々は「裁判で証拠不十分で無罪判決が出たから無罪に決まってる!」とくり返すのですが、
この映画でマイケルの指示による少年の偽証で無罪を勝ち取った経緯もしっかり描かれているんです。
被虐待児が大人の圧力に負けず性虐待の証拠を残すことがどれだけ難しいか、想像に難くないでしょう。
なのにこの映画に対して「あの時無罪判決だったからこの映画は嘘」という発言が出てくること自体、映画を見ずに叩いてるということがよくわかります。

ちなみにマイケルの家政婦が、マイケルが小児性愛者であったことを証言している記事です。
https://news.livedoor.com/article/detail/16076048/

そもそもこの映画で虐待を受けたと証言しているウェイドとジミーは、同じような経験を持つ人に真実と向き合う勇気を出してほしいから出演したと言っています。

(ローリング・ストーン誌のインタビューも参照くださいhttps://rollingstonejapan.com/articles/detail/30168/1/1/1)

ウェイドとジミーは幼少期からマイケルと性的な関係にありましたが、バレると二人共一生刑務所に入れられるから誰にも言うなと強く言い聞かされていました。
また、マイケルから「僕たちは運命の相手だ」と言われて肉体関係をもっていたのに、途中マイケルが他の少年に乗り換えたことで彼らはひどく傷つき困惑していました。
裁判の偽証を頼むために、マイケルが再びウェイドとジミーとのコンタクトを取るようになった時、捨てられたと思った二人は喜んだといいます。(電話の肉声が残っています)

そしてマイケルの思惑通り、まだ子供だったウェイドとジミーは裁判でマイケルのために偽証しました。
その後ジミーの家族は家の建て替え費用をマイケルに支援してもらいました。
ウェイドは数日間ネバーランドに招かれ、マイケルとセックスしました。ウェイドはまたマイケルと特別な関係になれると喜んだとそうです。しかしすぐに連絡は途絶えました。
(14歳の時にヒルトンホテルに呼び出され、アナルセックスをされたが上手く行かなかったのが性行為の最後と語っています)

2003年の裁判では、もう二人共女性の恋人がおり、自分の打ち明けられない過去の秘密に苦しんでいました。
マイケルから再び裁判での偽証を頼まれましたが、ジミーはもうマイケルに関わりたくないと拒否しました。
ジミーはこの時始めて母親に、マイケルは本当は邪悪な人間だと打ち明け、母親はやっと察しました。

ウェイドも悩みましたが、まだ彼を尊敬し愛していたので、助けたい一心から再び偽証してしまいました。
偽証は裁判の被害者の少年の社会的信用を落とす行為であり、罪深いことです。
しかし、その時振付師として成功していたウェイドのキャリアは、マイケルの経済支援やコネによるものも大きかったので、
マイケルとの過去の関係に疑問を持つことは自分の存在自体を否定することにもなり、ありえない事だったと言います。
恋人にも母にも打ち明けられない事実でした。
こうしてマイケルは無罪を勝ち取りました。

月日がたち、ウェイドとジミーに子供が生まれ、育っていく自分の息子を見ていると、子供とセックスをするということがいかに非倫理的な行いか親として実感できるようになり、精神的苦痛は増して行ったといいます。
ウェイドは抑うつに悩まされながら、カウンセラーにやっと真実を話すことができました。
そして救えなかった被害者の救済に少しでもなればと、世間からの批判も覚悟の上で告発に踏み切りました。

ジミーも同様に、一人で抱えなければいけない辛い過去と、偽証の罪に苦しんでいましたが、
ウェイドが真実を語る姿をテレビで見て、自分と同じ仲間がいると勇気づけられたそうです。
そして、逃げ続けた自分の過去と戦うため、告発することにしました。
同じように性的虐待を受けた被害者の心の救済に少しでも役立てればと。
苦しんでるのは君ひとりじゃないんだよと。

この映画は、彼らのように辛い過去を持つ人に、過去と向き合い共に生きよう、そして子供たちに自分と同じ苦しみを味あわせたくないという彼らのメッセージであり、マイケルの人格批判映画ではないんです。
世界中のマイケルファンの印象を変えることなどそもそも不毛なことだと言っています。

そんな彼らを中傷するファン自身が、マイケルジャクソンへの心象をより悪くしているのだと気づいて欲しい。

例え加害者が死んでも、性虐待被害者の記憶は呪いとしてはいつまでも人生につきまといます。

被虐待児への中傷が止まりますよう、心から願っています。
そして、彼らが幸せを掴み取れますように。
私も過去に負けずに頑張ります!


---以前の感想↓(6/12)

ネットフリックス「ネバーランドにさよならを」を視聴。
マイケル・ジャクソンに興味がない方も、子供を持つ方なら絶対に見てほしい。
幼少期に性的に嫌な思い出がある方はフラッシュバックするかもしれませんので気をつけて。

Part1ではマイケルがどのように子どもたちを懐柔していったか、
Part2ではマイケルと愛人関係にあった子どもたちが成長して、精神や家族関係にどのような影響を与えたかがわかります。

マイケルはその瞬間瞬間は本当に少年に恋をしていたのかもしれない。
誰かれ構わず使い捨ててたわけじゃないみたいだし。
(→訂正:ジミーが撮ったネバーランドの駅の写真(マイケルとセックスした場所)の年がインタビューの内容と異なることから、マイケルが本命を乗り換えてもジミーとセックスしてたことがわかりました)

ウェイドは彼を尊敬していて、新しい子が愛人に成り代わった時は嫉妬すらし、成人して2度目の裁判で偽証をした後も彼を愛していたと何度も語る。
この「愛していた」はどういうことなのでしょうか。
ファンとして?パートナー(恋人)として?友人として?
人間や他の動物の子供は、本能的に大人の庇護を欲しがります。劇中でもジミーがあの時期は愛情を欲しがって、褒められたり認められたい時期だったと言っていました。ジミーの方はマイケルを愛してなかったみたいだけど。

親以上に全力でスーパースターからラブコールを送られ、特別扱いされ、物を与えて大切にされたら、子供は絶対にその人が好きになりますよね。サンタさんや宗教の教祖様みたいに。一種の洗脳だと思います。
ウェイドの場合はマイケルが5歳から憧れのスーパースターで、7歳から父親代わりの存在だったので、「愛されたい」という感情は大人になっても簡単には捨てきれないでしょう。
告発した後もどこかでマイケルのことを愛してるのかもしれません。
親に虐待されている子供が、親から離れられないのと同じです。

百歩譲って、マイケルが7歳児と本気で愛し合っているからセックスした、と世間に公表していればまだ許せたと思います。
しかし、「このことがバレたら僕も君も一生塀の中ですごすことになるから、絶対に秘密だよ」と洗脳する手法は、まさに近親間の性虐待の典型的な手法そのもの。
そして、両親に打ち明けてしまった子を徹底的に嘘つき呼ばわりしてファンを味方につけてのセカンドレイプ。鬼畜の所業です。
私は小学校時代にこの人のWe are the wolrd を合唱で歌いました。練習をしている時も彼は少年にオーラルセックスさせていたかも・・・本当に吐き気がします。

劇中でウェイドが言っていた言葉。
「彼とのセックスを思い出しても、嫌な思い出ではないんだ。でも自分の幼い息子が彼に同じことをされたら、怒りと嫌悪感しかわかない。その感情にずっと混乱していて、とうとうセラピーで虐待のことを話してしまった」
「普通は時間が傷を癒やす。僕の場合(児童への性的虐待)は時間が経つとともにどんどん悪化した」
この言葉は、幼少期に大人からひどい扱いを受けた人なら絶対に理解できるのでは?

私は保育園で体罰を受けたことがありますし、父親や兄に冗談半分かわからないけど体を触られたことがあります。
中学生の時内科医に、聴診の際に服をまくりあげられてブラジャーを全部外されたことがあります。
記憶にはうっすらあったけど、その時は特に酷く傷ついた思い出ではなかったんです。
でも大人になってから、子供のプライベートゾーンを見たり触ったりするのは虐待だという知識が身につくと、自分のその記憶が鮮明に映像で蘇ってきます。何度もです。吐き気がします。

我が子が幼稚園児になると、自分の保育園時代のひどい記憶が蘇ってきて、保母やそこに私を預けていた母に憎しみを感じました。
何も知らない子供にどうしてそんな酷い仕打ちができたのか。

この感想を書くとセカンドレイピストからしつこい反論が飛んできます。
自分が嘘だと思うなら自分の発信だけで完結すれば良いのに、なぜ他の感想を抱く人をいちいち探して被害者をセカンドレイプする発言を送ってくるのでしょうか。
当時の被害者の少年たちの気持ちを察すると涙が出ます。
自分の神を崇めて盲信する人の恐ろしさを身を以て体験してしまいました。

私はこの映画を見て、自分の過去と再度向き合うことになったとともに、
我が子は絶対に絶対に私が守ると再度心に決めました。
どんなに子供と親しい男性にも子供を長時間二人きりにしたり泊まらせたりしません。ベビーシッターを頼るなら、外部か見られるネットワークカメラをつけておくと思います。
医者だろうが親戚だろうが、常に警戒すべきです。実際に性虐待のほとんどは親しい人から行われているんです。
夫ですら密室では子供と何をしているか把握しておかなければならないと思っています。
でもウェイドとジミーの母はこっそり聞き耳を立ても気づけなかったそうですね・・・。
もし我が子を預かってくれる女性がモンスターのマイケルのようだったらさすがに防げないかも…という恐ろしさを感じます。

最後に、どれだけ子供に恋をしてしまっても、絶対に性的な接触はしてはいけない。
性的な接触をしたり、子供の体で性的な満足を得た時点でもう犯罪者です。
小児性愛者はLBGT+ではない。子供を洗脳する精神障害です。
ロクシ

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